💡「塗り足しがありません」とは?入稿でよくあるエラーの正体
印刷所にデータを送ると、「塗り足しがありません」「塗り足しが不足しています」という注意が返ってくることがあります。
これは、印刷物をフチなしで仕上げるための設定ができていない、という意味です。
たとえば、このようなデザインの場合、「塗り足し」が必要です。
このようなデザインの場合は、塗り足しはなくても大丈夫です。
💡「塗り足し(ぬりたし)」ってなに?
塗り足しとは
→ 印刷用のデザインを作成するとき、仕上がりサイズより外側に、3mmずつ余分に背景の色や画像を広げておく部分のことです。
たとえば、A4サイズ(210mm×297mm)のチラシを作るなら、塗り足しをふくめたデータサイズは216mm×303mmになります。
名刺サイズ(91mm×55mm)の場合、塗り足しを含めたデータサイズは、97mm×61mmです。
参考:なにを作ろう?印刷物ごとの仕上がりサイズと塗り足しサイズ👀
💡 塗り足しがないとどうなる?→こんな仕上がりになります😨
塗り足しがないと、次のような問題が起こります。
❌ フチに白いスキマが出る
❌ 画像が意図せず切れる
❌ データ修正を求められ、納期が遅れる
印刷機や断裁機は非常に精密ですが、それでも1mm程度のズレは起こり得ます。
そのズレをカバーするための「保険」が塗り足しです。
【画像例】
・塗り足しなし → 白フチ発生
・塗り足しあり → きれいに断裁
💡アプリ・ソフト別|塗り足しの設定方法(Illustrator/Canva/Word・PowerPoint)
▶ 上級者向け Illustratorの場合
- 新規ドキュメントで「塗り足し:上下左右 3mm」と設定
- アートボードサイズは仕上がりサイズでOK
- 塗り足し部分までオブジェクトや画像をのばす
- 書き出しは「PDF/X-1a」で、トンボ+塗り足しをつけて保存
▶ Canvaの場合
- Canvaの「印刷用設定」では、自動で塗り足しがつくレイアウトがあります
- ただし手動で調整する場合は、ファイルサイズを3mmずつ大きくし、外側まで背景をのばす必要があります
- PDF保存時には「印刷用(トンボ付き)」を選択すると◎
▶ Word・PowerPointの場合
- WordやPowerPointには塗り足し設定がないため、背景を紙サイズより大きめにデザインする工夫が必要です
- 仕上がりサイズに+6mmしたカスタムサイズで作るのがポイントです
💡塗り足しチェックの方法|入稿前に確認しよう
✅ ACCEA推奨のチェック方法:
- PDFで「ドキュメントサイズ」が仕上がりより大きくなっているか(例:A4→216×303mm)
- トンボ(断裁マーク)がついているか
- 背景や画像がトンボの外側までのびているか
💡まとめ|迷ったら「3mm外まで背景をのばす」
- ✅ 仕上がりサイズ+上下左右3mmが基本!
- ✅ Illustratorなら塗り足し設定で安心
- ✅ CanvaやWordも、設定次第で対応可能
- ✅ トンボ+塗り足し付きPDFでそのまま入稿OK!